◆ 富山県氷見市聞乗寺親鸞聖人750回大遠忌修行       住職 杉山徳成
 地方の過疎化、首都圏の過密化は我々伝統教団にも諸問題を余儀なくされています。そうした地方の実状を肌で感じていただければと、氷見聞乗寺では本堂屋根、内陣、外陣の修復を記念して六月七日親鸞聖人七五〇回大遠忌法要を本願寺大谷光淳(専如)新門様をお迎えして修行いたしました。
 当日は天候にも恵まれ、帰敬式受式者百十五名、稚児も九十名以上参列して盛儀にお勤めいたしました。
 村の人口が二百五十人、小学校在席児童三十六人という村に、七百名以上の人が参拝に訪れた事は地域では初めての事と称賛され、又上尾市聞乗寺門徒も五十六名参拝をいただき有難うございました。
 門信徒の集いでは、村の現況報告と今後の過疎化対策への要望、伝統教団としての時代対応、地域にあった門徒組織の構築などの意見発表。新門様より一人一人が寺を中心にしておみのりに出遇ってお念仏を申していただきたいとのお言葉を頂戴いたしました。
 懇親会はホテル永芳閣で新門様同席にて開催され、順次酌をする門徒さんが多く、お酔いにならないかと心配いたしましたが、最後は握手をしながら退席され安心しました。
 寺院だけでの法要では限られた参拝者ですが、新門様のご巡行では予想を超える参拝者でした。伝統が温存している今をどのようになすべきか。
 ご門主様は東京工業大学准教授上田紀行さんとの対談の中で、自動車のハンドルとエンジンの活用が大切だと喩えておられました。ハンドル(教義)に重きをおき議論するだけではなく、エンジン(エネルギーが湧いてくるような言葉や行動)が日本の仏教に不足しているとおっしゃられました。
 これこそが私自身に求められている課題であると、この法要をご縁に受けとめさせていただきました。
 
◆  氷見市聞乗寺の法要                        坊守 杉山教子
 六月七日北陸は富山県氷見市にある聞乗寺に於いて、午前中本堂屋根内陣修復法要、午後から新門様をお迎えして親鸞聖人七五〇回大遠忌法要が勤修されました。
 組内のお寺さん達・門徒・村中一体となり力を合わせ準備に取り掛かり、会議会議の毎日でした。中でも本堂前の祝賀門(華門)は、五十年ぶりとかで、伝統を残したいとの熱意で造られ、山からトラック八台分程の杉の枝を運び、杉の新芽を一枝一枝門柱の縄にさしていくという気の遠くなる様な作業でした。
 当日心配だったお天気にも恵まれ、村中仏旗がたてられ、百名近い可愛いお稚児さん・僧侶・雅楽人が行列で練り歩く庭儀も行われ、祝賀門で新門様も加わって下さり賑々しくおごそかに行われました。
 帰敬式も百十五名の方が受式され、過疎の村にどこから集まって下さったのだろうと嬉しい悲鳴です。「新門様御巡教」という事で、御勝縁に遇いたいとの皆様のお気持ち、まだまだ伝統教団強しです。
 門信徒の集いでは三人の方から過疎の現況報告がなされ、又この法要を縁として共に協力して得た喜びを基に「聞乗寺女性の集い」を発足したいとの声もあがりました。新門様も過疎の村のお寺の存在を肌で感じて下さり、素直で有難いお言葉を賜りました。上尾市の聞乗寺の御門徒の方々も五十六名参加下され、尊い御縁に遇っていただき嬉しく思いました。
 懇親会では新門様が御出席の元、お寺さん達・氷見の門徒・上尾の門徒一緒での交流が和やかに行われ、上尾を代表して細井様から、「氷見と上尾の聞乗寺は本家と分家の様なもの私達も氷見の皆さまを見習って念仏相続に頑張りたい」との力強いお言葉を頂戴いたしました。
 大きな目標に向かい、一人一人の力は小さくても、共に力を合わせ、協力し、大きな法要を成し遂げた喜びは大きく、門徒の結束が一層強まったように感じ有難く感謝の気持ちで一杯です。
 
◆  初夏の風 「氷見聞乗寺参詣」の旅               上尾市 門徒 野村久雄
 さる六月七日から九日迄、二泊三日の「氷見聞乗寺参詣の旅」に参加させていただきました。
 今回の旅は、新門様御臨席の下にお勤めになる「親鸞聖人七五〇回大遠忌法要・本堂修復慶讃法要」に参列させていただくことが主目的でありましたから些か緊張気味ではありました。
 二泊三日の行程はと申しますと、第一日目は、昼食後氷見聞乗寺様での「親鸞聖人七五〇回大遠忌法要」に参列し、その後新門様を囲んでの「門信徒のつどい」に参加しました。これには氷見聞乗寺の門徒の方から現状の氷見市中田の「過疎化」とその中で「如何にお念仏の輪を広げてゆくか」等についてかなりシビアな質問がなされておりました。
 過疎化は政治の問題ですが、では政治だけで解決できるかと言えばそうでもなさそうです。私も考えさせられた一時でした。
 話が些か堅くなりました。ただこれら一連の行事の前に行われた「稚児行列」総勢九十人と聞きましたが、可愛く、また美しく見事でした。夜は宿泊所である「永芳閣」において新門様を囲み、地元のご門徒の方々など総勢百五十名という大宴会で幕となりました。
 二日目は、ご住職はじめ寺院の方々は前日の後始末等で御繁忙であることから門徒のみでの旅行となり、永芳閣を出てからはバスで白川郷へ行き、合掌集落を散策し、高山市の中心部上三之町通りを散策、新穂高温泉「山月」泊。
 第三日目は旅館を出てから安房トンネルに入り、一路山越えをして上高地に入り、梓川の清流と緑の中を散策し、塩田平に出て前山寺にて「くるみおはぎ」を頂き、「日本の臍」とも言われる「生島足島神社」に詣で、上田から大宮帰着と言うものでした。
 今回の旅での印象は、「くるみおはぎ」もさることながら新穂高温泉にて早朝の河原の「露天風呂」から眺めた「穂高」「槍ヶ岳」の岩峰の見事さでした。
 「混浴」であったことも影響してか、入浴者が少なかったのは残念でした。
 以下に氷見での印象「短歌」に纏めてみました。ご笑覧下さい。
 
◆  浄土真宗の教えQ&A

Q「他力本願」ってなんですか?

A「この一敗で、自力優勝の道は絶望ですね。あとは、他力本願に頼るしかないですね。」スポーツ報道でよく聞かれる報道です。
 この場合、これからいくつ勝ち続けても優勝はできない。今度は相手が負けるのを待つしかない、という意味でしょう。
 このように「他力本願」は、もっぱら他人の力をあてにする、他人任せという意味で、いろんな場面で使われています。これは大変な誤解です。
 親鸞聖人は、『教行信証』に「他力といふは如来の本願力なり」と明示しておられます。だから、他力とは、他人の力ではなく、仏の力、阿弥陀仏の慈悲のはたらきを言うのです。
 仏さまの生きとし生けるものを救わずにはおれないという強い願いのはたらき、これが「他力本願」なのです。
                                  『くらしの仏教語豆知識下巻』
                                                著・辻本敬順 より
 
◆  「千の風」を縁として                      門徒 さいたま市 中嶋章一

 私にとって、健康ほど幸せなことはありません。地位があっても、財産があっても、健康がなければなんにもなりません。いのちあっての物種、健康あってこその人生であります。
 私が思わぬ運命の出会いから「喉摘者」のご縁を得て、今年で二十一年目を迎えました。
 それ以前の私の人生は、ずっと丈夫だと、自他ともに許してきました。四季それぞれに適応することができて、春は花に、夏は山や川に、秋は紅葉にというふうに、それぞれ楽しくうけることができました。冬のきびしい日でも、冬らしい喜びをみつけて生きることができていました。ですから、自分は健康であると、信じきっていました。
 そのために、私は自分のからだに自信をもちすぎるようになったと思います。また、自分の健康にうぬぼれていましたが、同時に私は自分のしあわせを感謝していました。かなり不摂生をしても平気だという自分のからだに、ありがたいという思いは常にありました。ありがたいと感じつつも「これくらいはいいだろう」と、夜更けまで飲みつづけたり、徹夜して遊んだりしていたわけです。いわば、私は自己管理という事に無頓着だったのです。無頓着でいられることを感謝しながらも、それが不徹底な、いい加減なものであったのです。驕慢不遜に生きてきたということができます。自分というものを、お粗末に扱ってきたわけであります。
 そのためか、昭和六十年四月、「埼玉県立癌センター」に放射線治療で二ヶ月間入院、一旦は社会復帰したものの、八ヶ月後には再発、その時は、さすがに、目の前が真っ暗になりました。
 そして、同六十一年一月十三日、私の運命の摘出手術が始まりました。当日のあの手術室へ移動寝台で運び出される時の心境は、今も忘れえません。
 その後、入院は二ヶ月間でしたが、右リンパ腺への転移と、前回の放射線治療の後遺症のせいもあり、必ずしも順調な回復ではありませんでしたが、同病院を退院できました。自宅へ戻りましたが、【声】がでない苦しみにこれからの生き様を考えると、とめどもなく涙が止まりませんでした。しかし、この時から私の第二の人生が始まったと言っても過言ではありません。
 私は、あの時、途方に暮れた、どうにもならない我が運命に対し、「そうだ、この際病気と遊ぶんだ。」と、言う事に気がつきました。そして、それは、病気が悪くなったら悪くなったままに、良くなったら良くなったように、その時次第で、病気は医者にまかせ、いのちは寿命まかせ、と、そのうえに安心して寝ころんでいることにいたしました。
 病気と闘おうとあまり力んで、かえってストレスになることが多いのが事実としてたくさんありますが、「病と遊ぶ」という心持になると、一日一日が、少しずつ苦痛でなくなった事です。そして、「ありがたい」という言葉も自然に出てくるようにもなりました。親鸞聖人が【自然の浄土に棲み遊ぶ】と、おっしゃったのも、おぼろげながらわかるような気がいたしました。自分のからだを、自分のものだと思って粗末にしていたことが、厳しく反省されると同時に、人間は、いつでも「病」と隣り合わせに生きていることを、身をもって知らされた次第です。
 これから先も、人間の四苦・生老病死の根本的な苦しみの中で、生きる苦しみ、老いる苦しみ、病む苦しみと、どれも避けることのできないものですが、このうえは、尊くいただいた命を大切に、健康に注意しながら、残る人生を送っていきたいと思っております。
 
◆  親鸞聖人七五〇回大遠忌 お待ち受け埼玉大会           副住職 杉山智之
 二〇一一年に京都西本願寺で勤修される親鸞聖人七五〇回大遠忌のお待ち受け法要が、五月二十三日大宮ソニックシティにて開催されました。
 大ホールで行うということもあり、沢山の方にいらしていただけるかが一番の心配事でしたが、蓋を開ければ予約受付後一か月程で完売と、嬉しい誤算でした。お断りをした方には本当に申し訳ありませんでした。
 当日、新型インフルエンザの影響が懸念され、急きょアルコールの消毒液を用意する中、二五〇〇人の参加者、聞乗寺からは約二〇〇名の参加があり、大いに盛り上がりました。その中で一つ残念だったことは、座席が二階の一番後ろだったこと。これは、座席の抽選で私副住職が引き当ててしまったからで、申し訳ない気持ちで一杯であります。
 この一年間は、この法要にむけて時間が流れていたかもしれません。何回も集い会議をし、その集大成がおごそかで緊張感あふれる中、開始の時をむかえました。
 第一部は法要。東京近郊の浄土真宗のお寺さんによる雅楽の演奏や舞楽の舞に、荘厳な雰囲気を共有することができましたし、親鸞聖人著述の正信偈のお勤めでは、大きな声で皆一緒にお勤めをさせていただきました。会場が大きな一つの輪になった瞬間でした。
 第二部は記念講演。作家の五木寛之さんによる講演は、東京新聞の朝刊小説で「親鸞」が連載されていることもあり、身近に感じてたくさんの方が楽しみにしていたということで、ある時は笑い、またある時は涙を誘い、固唾を呑んで聞き入りました。
 第三部は胡弓のコンサート。楊興新(やんしんしん)さんによる演奏は、心に訴えかけ、たくさんの感動をいただきました。太鼓の演奏は心に響き、照明の素晴らしさは圧巻でした。最後の「ふるさと」を会場全体で合唱し、盛り上がった法要も、無事に幕を下ろすことができました。
 今回は、埼玉大会でしたが、日本各地で親鸞聖人七五〇回大遠忌お待ち受け法要が勤まっています。そして、全国で盛り上がりを見せた後、本山西本願寺に於いて二〇一一年に本番の法要が勤まります。五十年に一度の法要ということで、ほとんどの方が一生に一度しか遇えない大法要を大切なご縁と感じ、慶びの中で迎えたいものです。
 
◆  ♪こども花まつり♪                                   杉山慶子
 四月八日はお釈迦様のお誕生日、花まつりです。(灌仏会ともいいます。)午後二時よりおつとめをして、みんなで花御堂に献花し、誕生仏に甘茶をかけました。お天気にも恵まれ、八十人余りの子ども達の参加!みんなで歌った♪さくらちらちら花まつり♪の仏教讃歌の通り、聞乗寺の桜の花びらが舞い散る中、皆で記念撮影をしました。
 そして、その名の通り甘い甘茶をいただきました。「あっまーい!お砂糖入ってるの?」(入っていません)「おいしーい」年配の方は「懐かしいわ。昔、やかんを持ってお寺の花まつりにお参りして甘茶をもらって帰ったわ。」などなど‥様々な反応、味わいありで賑やかにおやつの時間を過ごしました。
 その後は皆待ちに待った人形劇『パンチ君大あばれ』です。(去年の花まつりにも来ていただいたNHK『ひょっこりひょうたん島』でお馴染みの人形劇団「ひとみ座」の公演です。)愉快なキャラクターのパンチ君に引き込まれ、子ども達は大笑い!大はしゃぎ!大人も子どもも一緒に楽しみました。
 それから恒例のビンゴ大会(景品等、ご協力ありがとうございました。)子ども達「何が当たるか?」 目を輝かせ、もらったものを大事そうに、満足そうに帰っていきました。
 みんなにお祝いされて、二五七〇才のお釈迦様もきっと喜ばておられるでしょう‥。
 
◆ 寺院よりのご案内
報恩踊り(盆踊り)大会
 毎年恒例の報恩踊りを七月二五日(土)午後六時より行います。聞乗寺駐車場にやぐらを組み、たくさんの出店もあり、賑やかに楽しいひと時を過ごせるよう準備をしています。夏の暑さを吹き飛ばし、賑やかな盆踊りをお楽しみ下さい。同封の葉書が抽選券です。お名前を記入の上、抽選箱にお入れ下さい。ご家族、友人お誘い合わせて是非お越し下さい。当日、車でお越しの方は、むさしのグランドホテルさんの駐車場をご利用下さい。また、雨天時は中止とさせていただきます。

バザーの品物抽選会の景品のお願い
 報恩踊り(盆踊り)の際、バザーを行います。ご家庭内でご不用な物がありましたら、協力の程よろしくお願いします(古着はご遠慮願います)。売上金はダーナ募金に寄付いたします。又、抽選会の景品も合わせてよろしくお願いします。ご連絡いただければ、車で引き取りに伺います。

お盆法要
 八月十五日(土)午前十時より聞乗寺本堂において門信徒合同のお盆法要をお勤めします。お盆法要は亡き先祖を偲びつつ、仏縁に遇わせていただいたことを喜び、いのちの繋がりに感謝をしながら手を合わせる法要です。ご自宅の仏壇より過去帖やお位牌をお持ち下さい。本堂に安置し参拝者一緒にお勤めいたしましょう。例年たくさんの方にお参りをいただいております。駐車場が満車の場合は、むさしのグランドホテルさんをご利用下さい。

お盆自宅参詣
 八月十二日から十六日まで各家庭に伺います。ご希望の方は七月末日までに寺院まで申し込み下さい。なるべく希望通りにお参りさせていただきたいのですが、たくさんの家庭に伺えるよう地域別にお参りさせていただきます。日にちはなるべく希望日に合わせますがお時間は希望通りにならないかも知れませんがご了承下さい。又、伺う日時は八月五日以降お電話をいただいた折、お伝えいたします。

ゴルフコンペのお誘い
 門信徒同志の交流の場として今年度は久しぶりにゴルフコンペを企画いたしました。スポーツを通して語り合い、今後の聴聞の生活にいかしていただければ有難いと考えています。たくさんのご参加をお待ちしておりますが、コースの都合上人数に限りがあります。先着順ですので早めにお申し込み下さい。
日 時‥
     
コース‥
人 数‥
十月七日(水)
八時半スタート
霞が関カントリー
二十名(五組)

こども会夏のお知らせ
 聞乗寺では月に一回、こども会をおこなっていますが、夏休みには様々な活動をしています。同封のちらしご覧いただき、お子さま、お孫さんに勧めていただければ幸いです。
 また、イベントごとにビンゴ大会をするのが恒例ですが、その景品探しに苦労しています。ご家庭内にお子様が喜びそうなものがあれば、よろしくお願いします。

●顧問弁護士の紹介
聞乗寺には顧問弁護士がおります 。 門信徒の中で困り事がありましたらお気軽にお尋ね下さい。
氏名‥小澤治夫
昭和27年12月9日生
中央大学法学部法律学科卒
事務所‥東京都千代田区有楽町2丁目2番1号
ラクチョウビル5階52号室
 
◆ 編集後記
 一九九九年(平成十)に始まった西本願寺の御影堂修復も完成を迎え、仮御影堂にご安置されていた親鸞聖人の御真影(ごしんねい)さまも十年ぶりに御影堂にお戻りになりました。
 四月一日、仮御影堂からの御動座法要が勤まり、この日を待ちわびた参拝者がいっぱいになり、外まであふれ返っていました。
 これでようやく両堂(阿弥陀堂と御影堂)が並び、世界に誇れる世界遺産として、浄土真宗の門信徒の心のオアシスとなっていくことでしょう。
 そしていよいよ、再来年(二〇一一年)は親鸞聖人七五〇回忌です。五〇年おきに勤まる法要に遇えるのは生涯でたった一度かもしれません。
 親鸞聖人の師匠法然聖人の八〇〇回忌も同年施行され、京都はとても華やいだ雰囲気となることでしょう。今のうちから健康を整え、カウントダウンしていきましょう。
(副住職)